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ブエノスアイレスをあとにして

49.Mucho Tengo Dinero

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旅立つ前日、ブエノスアイレス市内でインディヘナの子供たちに声を掛けられた。
年のころは10歳前後だと思う。
南米では我々アジア人は中国人と間違えられる。「チーノ」という名称で呼ばれるのだが、これを気に入らない日本人も多い。隣国の兄弟に偏見を持つのはすごく寂しいことだから私は中国人に間違われてもゼンゼン気にならないし当然怒らない。むしろ声を掛けてきた子供たちとは仲良くしていた。
その背景には世界中の中国人や韓国人に世話になったことがあげられる。

ブエノスアイレスから南へ旅立つ前日も、浅黒いインディヘナの二人組が「おいチーノ、いいものあるよ」と声を掛けてきた。
「なんだ」と聞くと、これさ、と彼らは得意気に、しかし誰かの目を気にするように紙片をみせてきた。
それは新札に近い状態のアメリカドル紙幣だった。

色々なことを一瞬のうちに考え、私は3枚のUS100ドル札を100ペソ(三千円)で買った。
ウワサではアルゼンチンの警官は南米一問題がおおく賄賂を請求してくるのは当たり前と聞いていたし、後々中南米の問題ある警官に役立つときがやってくるのを察知していたからだ。
手に取ったアメリカ紙幣は本物よりほんの少し厚くできていたが、素人の私には偽物であることは判らなかった。
その場で太陽に透かしてみていたら子供たちに早くしまえと言われたのだった。

これで南米ツーリングの準備はすべて整った。
俺はやってやる、死なない程度に無事に走りきってやる。
そんな気持ちでブエノスアイレスを旅立つ日がやってきた。

上野山荘に宿泊していたほとんどのひとがバイクを停車していた有料駐車場に見送りしてくれた。
上野さん一家や、なかには女性で私を抱きしめてくれるひともいた。
髪の香りは花だった。もう帰国するまで花の香りを嗅ぐこともないだろう。


税関で苦労したブエノスアイレス空港を尻目に市内をあとにすると、風も強くなりあたりは殺伐とした風景に変わった。
パタゴニアはすぐそこだ。

あらゆる道端に、検問所が配置されていた。
そこには軍隊の格好をしたウワサの警官隊が十名前後、私を待ち構え、停止命令のたびにパスポートを請求されたのだった。
悪名高いアルゼンチン警官のウワサはこうだ。
パスポートを返してほしければ金をよこせ。
私はパスポートを請求されるたびにコピーを渡した。

しかし「これじゃダメだ、これじゃダメだ」と何度も言われた。
私はもうなにも怖くない。言葉が解らないフリをしてその場をしのごうとした。
いちいち問題児に金を渡すほど精神的に弱くない。

パスポートの原本を出さないでゴネていると検問所にいた警官がすべて集まってきて囲まれた。
なかには話の解るヤツ、つまり普通の警官もいるが、最終的に悪いやつに飲み込まれる。
コピーを検問所建物内に持って行き、30分ぐらいでてこない。私はその間、道端に待たされる。マテ茶を取り出し話のわかる警官にお湯をもらってそれを飲む。待てど暮らせど警官はでてこない。きっと建物内でマテ茶を飲んでいるのだろう。
太ったサングラスの警官が私に対し、なんだか不平不満をグチグチ言っている。なんとなく雰囲気で言ってることは解るが、言葉の解らないフリをしてスペイン語で理解不能の意味「ノーエンティエンドノーエンティエンド」と、睨み返しながら繰り返した。なめられるとつけこまれる。
幾度とない検問所の末、結局アルゼンチンで賄賂を使うことはなかった。
中米のとある国の警官だけに使用したわけだがアルゼンチンの警官も遠まわしでなかなかしつこい。

こんなこと書くべきじゃないかもしれない。
ネットで流れる他の旅記録にはこのような賄賂や人種差別などの汚い部分はあまり触れていない。
しかしこれは事実であり中南米の一部地域は行政の問題点を改善すべきだ。
法の番人が不正を起こす限りどんなに発展してもその国は途上国と呼ばれ続けるだろう。
これはその国に行った旅行者に無益を生むばかりでなく国民全体が荒む原因になる。
アルゼンチンの行政に不正がなければ南米一最高の国と呼びたいのを我慢して、アルゼンチンで出会った日本人のおかげで快適に旅が続けられるのだと思うと、感謝の気持ちはより増したのだった。



逕サ蜒・757_convert_20100310041247

パスポートをみせないでいると地面を蹴って不貞腐れる警官隊。
賄賂請求されそうになると毎度バチバチ写真を撮っていた。写真を撮ると引き下がるからね。
ちなみに写真の彼らは最初から賄賂請求してこず、パスポート原本をださないことに腹を立てている。

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Author:masatorakun
皆様、こんにちは。
大型バイクのハーレーダビッドソンで世界一周したときの日記を再現しました。
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